走査型電子顕微鏡 / メーカー3社一覧
走査型電子顕微鏡とは
走査型電子顕微鏡(Scanning Electron Microscopy:SEM)は、試料表面に電子線を照射し、試料から放出される二次電子や反射電子を検出して画像を得る装置です。SEMの原理と特徴について以下に説明します。
原理
電子線の発生と収束: 電子銃から発生した電子は電磁レンズによって細いビームに収束されます。このビームを試料表面に向けて照射します。電子線の走査: 試料表面を電子ビームでポイントごとにスキャン(走査)します。走査の際に電子ビームは一定のパターンで試料表面を細かく移動します。
二次電子と反射電子の検出:
電子ビームが試料に衝突すると、試料表面から二次電子や反射電子が放出されます。二次電子は試料の表面近くから発生する電子で、反射電子は試料の原子に衝突して跳ね返された電子です。
画像形成: 放出された二次電子や反射電子の強度を検出器で計測し、その信号を元に試料表面の画像を生成します。
特徴
表面構造の詳細観察: SEMは二次電子を利用して試料の表面構造を高い解像度で観察できます。微細な凹凸や表面のテクスチャを詳細に見ることができます。
組成情報の取得:
反射電子の信号は試料の組成に依存するため、試料表面の組成分布や原子番号コントラストを評価することができます。
大きな焦点深度: SEMは焦点深度が大きいため、立体的な観察が可能であり、試料の凹凸のある表面を詳細に観察できます。
多様な検出モード:
SEMは二次電子検出以外にも、反射電子検出や特性X線検出など、様々なモードでの観察が可能です。これにより、試料の構造、組成、物性情報を多角的に分析できます。
SEMは材料科学、ナノテクノロジー、バイオサイエンス、半導体産業など多岐にわたる分野で利用されています。具体例としては以下のようなものがあります。
材料科学: 材料表面の微細構造や欠陥の観察
半導体: 半導体デバイスの製造プロセスでの品質管理や故障解析
ナノテクノロジー: ナノ材料やナノ構造体の形態観察
バイオサイエンス: 細胞や組織の表面構造の観察
法医学: 証拠品の微細構造解析
SEMはその高解像度と多様な検出モードにより、幅広い研究分野で非常に強力なツールとして活用されています。
走査型電子顕微鏡の使用用途
走査型電子顕微鏡の倍率は数十万倍に拡大することができます。さらに、分解能を数nmまで上げることができます。また、焦点深度が深く、サンプルの凹凸が見やすいという特徴もあります。光学顕微鏡の倍率限界は約1000倍、解像度限界は約150nmであるため、より高い倍率とより高い解像度での観察が可能です。 例えば、半導体材料やセラミック材料などのさまざまな材料の表面状態の観察、細菌やウイルスなどの微生物の観察、細胞などの生体試料の観察に使用されます。
走査型電子顕微鏡のメーカー一覧
※一部商社などの取扱い企業も含みます。
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MATSUSADA PRECISION Inc.
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会社情報