カダベリン（Cadaverine）とは

カダベリン（Cadaverine）は、化学式 C5H12N2 で表される二級アミンで、主に動物の死骸の腐敗過程で生成されます。この物質は、特に腐った肉や死体に特有の悪臭を持っており、その名前はラテン語で「死体」を意味する「cadaver」から由来しています。カダベリンは、アミノ酸のリジン（Lysine）の脱炭酸反応によって生成されるため、リジンが豊富な動物の組織で多く見られます。

カダベリンは、細菌による腐敗過程で重要な役割を果たします。死骸や腐敗した有機物に存在するリジンが細菌の作用により脱炭酸され、カダベリンが生成されるのです。このため、カダベリンは腐敗した物質に強い悪臭を与え、腐敗の進行を示す指標となります。実際、腐った肉や死体から放たれる典型的な悪臭は、カダベリンを含むアミン類のためであることが多いです。

また、カダベリンは生物学的にも重要で、腸内で発生することもあり、腸内細菌の活動によっても生成されることがあります。これにより、腸内のフローラが健康でない場合、カダベリンが過剰に生成され、悪臭を放つことがあります。

カダベリンはまた、化学的にさまざまな用途にも使用されます。例えば、化学分析での指標物質や、腐敗を防ぐための研究において有用です。しかし、カダベリン自体は高濃度での暴露が健康に害を及ぼす可能性があり、特にその悪臭から不快感を感じる人々も多いです。

※一部商社などの取扱い企業も含みます。