テトラメチルアンモニウムヒドロキシド（Tetra methylammonium hydroxide, TMAH）とは

テトラメチルアンモニウムヒドロキシド（Tetra methylammonium hydroxide, TMAH）は、化学式 (CH₃)₄NOH の有機化合物で、四級アンモニウム塩の一種です。これは、四つのメチル基（-CH₃）が窒素原子に結びついており、ヒドロキシド（OH⁻）イオンと結びついています。テトラメチルアンモニウムヒドロキシドは、水溶液中で強アルカリ性を示し、特に有機化学や電子産業において重要な化学物質です。

✅ 化学的特性
テトラメチルアンモニウムヒドロキシドは、水溶液中で強いアルカリ性を示し、溶液中の水酸化物イオン（OH⁻）が強力に作用します。この化合物は、一般的に水に非常によく溶け、安定した溶液を形成します。液体状態では、無色の液体であり、強い腐食性を持つため取り扱いに注意が必要です。
✅ 用途
テトラメチルアンモニウムヒドロキシドは、主に有機化学の反応において使用され、特に有機化学合成や触媒反応において重要です。特に、アルコールの脱水素化反応や、ポリマー合成における触媒として利用されることがあります。また、電子産業では、半導体製造において洗浄工程で使用されることがあります。TMAHは、シリコンウエハーのエッチングにおいて重要な役割を果たし、シリコン酸化膜の除去に用いられます。
✅ 製造方法
テトラメチルアンモニウムヒドロキシドは、通常、テトラメチルアンモニウム塩と水酸化ナトリウム（NaOH）または水酸化カリウム（KOH）との反応により製造されます。この反応によって、TMAHが水溶液中で得られます。非常に高純度のTMAHが求められる場合、精製やろ過が行われることがあります。
✅ 安全性と取り扱い
テトラメチルアンモニウムヒドロキシドは非常に強いアルカリ性を持っており、皮膚や目への接触を避ける必要があります。腐食性が強いため、取り扱いの際には適切な保護具（手袋やゴーグル）を使用することが重要です。また、TMAHの水溶液は非常に有毒であり、飲み込んだり吸い込んだりすることがないように注意が必要です。安全データシート（SDS）に従い、取り扱いや保管を行うことが求められます。
✅ まとめ
テトラメチルアンモニウムヒドロキシドは、強アルカリ性を示す四級アンモニウム塩であり、有機合成や電子産業において重要な役割を果たす化学物質です。その強い腐食性を持つため、取り扱いには十分な注意が必要です。特に、電子産業や半導体製造においては、シリコンウエハーの洗浄やエッチングプロセスで使用されることがあります。

※一部商社などの取扱い企業も含みます。