リン酸カリウムとは

リン酸カリウムは、カリウム（K⁺）とリン酸（PO₄³⁻）からなる無機塩で、主に農業分野では植物用の肥料として利用され、また食品添加物や医薬品分野でも使用されています。代表的なものには**リン酸一カリウム（KH₂PO₄）やリン酸二水素カリウム（K₂HPO₄）などがあります。これらは水に良く溶け、植物にとって重要な栄養素であるカリウム（K）とリン（P）**を効率的に供給することができます。農業においては、リン酸カリウムは作物の根の発達、光合成、病害抵抗性の向上に貢献します。特に果実や穀物の品質向上、成熟の促進に有効であり、窒素を含まないため、窒素過多を避けたい後期肥料として使われることが多いです。液体肥料や葉面散布用としても使用され、pHの調整剤としての機能も持っています。

また、リン酸カリウムは食品添加物（pH調整剤、乳化剤）や医薬品の緩衝剤、電解質補給薬としても使用されています。水に溶かすと緩衝作用を持ち、医療分野では電解質バランスの補正にも活用されます。保管には湿気を避け、密閉容器に入れることが推奨されます。過剰に使用すると水質汚染（富栄養化）など環境負荷が懸念されるため、適量の施用が重要です。

※一部商社などの取扱い企業も含みます。