イグニッションコイルとは

イグニッションコイルは、自動車エンジンの点火システムにおいて重要な役割を果たす部品です。エンジンがスムーズに動作するためには、シリンダー内で燃料と空気の混合気を点火プラグで爆発させる必要があります。イグニッションコイルは、この点火を行うために必要な高電圧を作り出す装置です。

通常、自動車のバッテリーは12ボルト程度の電圧を供給しますが、点火プラグを作動させるには数万ボルトの高電圧が必要です。イグニッションコイルは、この低電圧を高電圧に変換するトランスフォーマーのような役割を果たします。この電圧の変換プロセスは、コイルの内部に巻かれた一次巻線と二次巻線を利用して行われます。

イグニッションコイルの主なタイプには、以下のようなものがあります：
✅シングルコイルタイプ: 昔ながらの設計で、複数のシリンダーに1つのコイルを共有します。
✅コイルオンプラグ（COP）タイプ: 各シリンダーに専用のコイルを配置する近代的な設計で、効率が高い。
✅ディストリビュータータイプ: シングルコイルを使用し、ディストリビューターを通じて各シリンダーに点火します。

現代のエンジンでは、効率と信頼性を向上させるためにCOPタイプが一般的です。イグニッションコイルが故障すると、エンジンが始動しない、振動が増える、燃費が悪化するなどの問題が発生します。そのため、定期的な点検とメンテナンスが重要です。

※一部商社などの取扱い企業も含みます。